XMでは口座有効化の際に、マイナンバーカードの有無を確認されます。そこでこの記事では、XMやその他の海外FX業者にマイナンバー(納税者番号)の提出は必要なのかについて解説します。
国内FX業者の場合はマイナンバーを提出しなければならない理由やEU在住のトレーダーには義務がある点などについても説明します。
XMにマイナンバーカードの提出は必要?
XMにマイナンバーカードの提出は必要ない
XMにマイナンバーの提出は必要ありません。
口座有効化の際にマイナンバーの有無が確認されます。しかし、提出を行わなくても有効化手続きが可能です。

それならXMは国内FX会社と比べて、簡単に取引を開始できそうだね
XMにマイナンバーカードが求められる理由
マイナンバーkーどの有無が確認されるのは、次の3つの理由からです。
XMでマイナンバーが求められる理由
- 欧州連合(EU)の規制強化
- 共通報告基準(CRS)
- 日本政府へのアピール
順に説明していきます。
欧州連合(EU)の規制強化
EUでは、2018年1月に「MiFIDⅡ(Market in Financial Instruments Directive:第二次金融商品市場指令)」が施行されました。
これによりXMも顧客のマイナンバー(納税者番号)を収集する必要が出ました。
MiFIDⅡとは
MiFIDⅡの施行により、EU在住の人はマイナンバーの提出をしなければ、口座を開設することができなくなりました。
XMの本拠地は、MiFIDⅡが施行されたEU内の「キプロス」にあります。
MiFIDⅡに合わせ、マイナンバーの提出が必須でない地域のトレーダーにもマイナンバーの有無を確認するようになりました。

XMの本拠地キプロスの規制に合わせてるんだね
共通報告基準(CRS)
共通報告基準(CRS)は外国の金融機関で開設した口座を利用し、国際的な脱税を回避するために、OECD(経済協力開発機構)が定めた制度です。
共通報告基準(CRS)加盟国の税務当局に発生する義務
提供する情報は国により異なりますが、多くの国では納税者番号(マイナンバー)を含みます。
その結果、CRS加盟国各国の金融機関は税務当局に報告を行うため、利用者に納税者番号を求めるようになりました。

CRS加盟国のFX会社では、マイナンバーが求められるってことね
XMは「イギリス」「キプロス」「セーシェル」など、複数の拠点を持ちますが、いずれもCRS加盟国です。XMは拠点を持つ国の税務当局に、トレーダーの納税者番号を提出する必要があります。
そのためトレーダーは、XMを口座の有効化を行う際に、納税者番号(マイナンバー)の提出が求められます。
日本の金融庁へのアピールのため
2つ目の理由として、日本の金融庁へのアピールのために、マイナンバーの提出を求めていることが考えられます。
ただし、「日本人トレーダーがXMを利用すること」「XMが日本人トレーダーを受け入れること」のいずれも法的な問題はありません。

それなら安心してXMを利用できるね
しかし、日本の金融庁は海外FX会社が日本人トレーダーを受け入れることを快く思っていないため、XMは何度か金融庁から警告を受けています。
そこでXMは日本人トレーダーにもマイナンバーの提出を求めることで、日本やEUの基準に沿った運営を行っていることを、日本の金融庁にアピールしていることが考えられます。
国内FX業者にマイナンバーが求められる理由
個人投資家は支払調書の提出が必須のため
国内FXでは、マイナンバーカードが必須のことから、「XMでもマイナンバーが必須なのでは?」と不安に感じた方は多いかもしれません。
国内FXでマイナンバーが求められるのは、国内FX会社は毎年1月末までに、前年の損益をまとめた支払調書を税務署へ提出することが義務付けられているためです。
支払い調書とは
マイナンバーがないと支払調書が作成できないため、国内FX会社は利用者の口座開設にマイナンバーを求めるようになったわけです。
XMにマイナンバーカードが不要な理由
XMにマイナンバーの提出が必要ない理由は、国内FX会社とXMではライセンスが異なるためです。

国内FX業者ではマイナンバーが必須なのになぜXMでは不要なの?
FX(外国為替保証金取引)を扱う日本国内の金融機関は、日本の金融庁から金融商取引法の登録を行い日本の「外為取扱ライセンス」で営業を行っています。
日本の金融庁からライセンスを取得するためには、「毎年1月末までに、前年の損益をまとめた支払調書を税務署へ提出する」義務を守らなければなりません。
一方で、XMは「セーシェル共和国」の金融庁からライセンスを取得し、営業を行っています。
そのため「マイナンバーの記載された支払調書を提出する」という義務を果たす必要がないXMでは、トレーダーはマイナンバーの提出の必要がないわけです。
また、XMがマイナンバーを有無を確認するようになった理由として、MiFIDⅡを挙げましたが、日本に居住する日本人トレーダーは規制強化の影響は受けません。

あれ、でもセーシェルってCRSに加盟しているんだよね?CRS加盟国なのに、日本人トレーダーの口座情報を日本の税務当局に提供しなくていいの?
たしかに、セーシェル共和国はCRSに加盟しており、セーシェル共和国の税務局は日本人トレーダーの情報を日本政府に提供しなければなりません。
しかし、提供する情報は加盟国の現地法により異なり、セーシェル共和国の税務当局は、金融機関に納税者番号を提供することを強制していないと考えられます。
そのため、セーシェル共和国がCRS加盟国であっても、今のところ、日本人トレーダーはマイナンバーの提出は必須ではありません。
XMは危険なFX会社なの?
たしかにXMは日本国内では「無登録業者」という扱いですが、セーシェル共和国ではライセンスを取得しており安全なFX会社として認められています。

XMは日本の金融庁からライセンスを取得していないなら、XMは危険なFX会社なんじゃないの?
このことは、日本のFX会社を外国人が利用するケースで考えれば分かります。例えば、DMM FXは日本以外の国ではライセンスを取得していません。
だからといって、外国人がDMM FXを利用するのが危険かといえば、DMM FXは日本のライセンスを取得している安全なFX会社で危険ではありません。同様のことがXMにも言えます。
XMでもマイナンバーの提出が必須になる可能性も
現時点ではXMでは口座有効化の際のマイナンバーの提出は任意であり、必須ではありません。しかし、今後はXMでもマイナンバーの提出が必須になる可能性があります。
海外の銀行や証券会社ではマイナンバーが必須
日本国内におけるマイナンバー制度の開始以降、日本人が海外銀行や証券会社(ネット証券)で口座開設する際、多くの場合は納税者番号としてマイナンバー提出が求められます。
また既にマイナンバーを必須としている海外FX業者も存在します。
すでにマイナンバーが必須のXMブランドも
すでにマイナンバーの提出が必須のXMブランドも存在します。
XMは近年はアメリカにも進出を進めているグローバルな海外FX会社です。利用者の国籍や利用地域により、ブランドと登録ライセンスが分かれています。
ブランド | 地域 | ライセンスの発行元 |
---|---|---|
XMTrading | 日本を含むアジアなど | セーシェル |
XM.COM | ヨーロッパなど | イギリス・キプロス |
私たち日本人トレーダーが利用している「XMTrading」ブランドでは、既に説明したように、マイナンバーの提出は必須ではありません。
しかし、イギリスFCA(金融行動監視機構)およびキプロスCySEC(キプロス証券取引委員会)のライセンスで営業を行っている「XM .COM」ブランドでは、口座開設時のマイナンバーの提出が必須となっています。
EU在住のトレーダーがXMの利用にマイナンバーの提出が必須になったのは、EU向けに営業を行っているのが「XM.COM」だからです。
日本人トレーダーが利用する「XMTraiding」のライセンスの発行元であるセーシェル共和国金融庁は、マイナンバーの登録の義務化は行っていません。

私たちは、マイナンバーを必要としないセーシェル共和国のXMを使ってるから、マイナンバーが要らないんだ!
しかし、日本がマイナンバーを導入したように、世界的にはマイナンバー導入の流れがあります。
そのため、セーシェル共和国金融庁がマイナンバーの登録を義務化し、「XMTrading」ブランド利用者の私たち日本人もマイナンバーの提出が必須になる可能性があります。
マイナンバーを提出しないとどうなる?
マイナンバーの提出義務化の後、もし提出しないと取引制限がかかる可能性も考えられます。
国内で金融機関のマイナンバーの提出が義務付けられたのは、2016年以降です。
そのため、2016年以前に国内FX会社で口座を開設したトレーダーの中には、マイナンバーを提出していないトレーダーが存在します。
しかし、マイナンバーを提出しなければ正確な支払調書の作成ができず、適正な納税金額なのかを判断できないため、取引制限がかかることがあります。
国内FX会社を利用しているトレーダー向けのマイナンバーの提出期限は「2021年12月末」です。
当初は2016年以前に口座開設したトレーダーが、マイナンバーを告知する起源として3年間(18年12月末まで)の経過措置を規定しました。
しかし、証券会社のマイナンバーの取得割合が41.4%に留まったため、政府が延長した形です。
セーシェル共和国がマイナンバーの提出を義務化し、XMでマイナンバーの提出が必須になった後も、一定期間の猶予が与えられることが予想されます。
しかし、期間中にマイナンバーを提出しないと取引制限がかかる可能性があります。

それなら、今のうちにマイナンバーを提出しておくのもありかも…
XMにマイナンバーを提出するのは危険?
XMにマイナンバーを提出するのは、危険ではありません。

海外FX会社のXMにマイナンバーを提出するのは、危険じゃないの?
XMは海外FX会社で日本に拠点があるため、マイナンバーを提出するのは危険だと感じるかもしれません。
しかし、XMは2009年に創業され、運営歴は12年を超えていますが、「XMが個人情報を流出させた」といった口コミは一切ありません。
XMにマイナンバーを提出しても、流出したり、悪用されたりといったことは考えにくいです。
XMにマイナンバーを提出する方法
今のうちにマイナンバーを提出しておこうと考えた人は、以下の手順でマイナンバーの提出が可能です。
マイナンバーの提出手順
- XM公式サイトのマイページにログイン
- アカウント名をクリックし、メニューを表示後、「マイ・アカウント」を選択
- 口座の詳細画面で左下のマミナンバーの「該当なし」をクリック
- 追加情報の登録画面で「マイナンバーをお持ちですか?」に「はい」を選択
- マイナンバーの入力フォームでマイナンバーを入力し「確定」をクリック
マイナンバーの提出に写真は必要ありません。
XMはマイナンバーの提出は不要だが確定申告は必要
XM(海外FX会社)ではマイナンバーの提出は不要ですが、損益に応じて税金を納めなければなりません。また日本とは確定申告時の計算方法が違いますので注意しましょう。
海外FXの確定申告時の計算方法
- 総合課税=累進課税+住民税(最大55%)

国内FXは一律20.315%だから海外FXの確定申告をする時は気を付けたほうが良さそうだな…
累進課税とは所得に応じて税率が増えていく計算方法のことです。住民税は10%で固定されているため、「所得に応じた税率+住民税10%」が税率となるので覚えておきましょう。
<海外FXの税率一覧表>
課税される所得金額 | 税率(住民税を10%含む) | 控除額 |
---|---|---|
20万を超え195万円以下 | 15% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 20% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 30% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 33% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 43% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 50% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 55% | 4,796,000円 |
330万円を超えると国内FXよりも税率は高くなりますが、控除額があるため所得金額が420万円以下であれば海外FXのほうが納税額を抑えることができます。

国内FXでの利益が少ない人はXMで取引したほうがお得なんだね